旦那の酒蔵訪問記 vol.6 河南

旦那の酒蔵訪問記 vol.6 河南

今回は、河南省西峡県にある黄酒蔵へ訪問しに行きました。
まずは、河南省の鄭州市へ飛行機の直行便はなく
北京経由乗り継ぎの待ち時間を合わせて
合計8時間の旅です。

 



日本人にとっては、あまり馴染みのない省だと思いますが、
あの少林寺がある所です。
鄭州市の街は、中国の地方都市と同じような感じで、
街の中心部には猥雑な旧市街が残っており、
そこに居る人の多さに驚きました。

他方、中心地から離れるに従って開発が進んできて
道路もしっかりと区画整理が行われ
北京の様に区間、区間が大きく
地下鉄もまだ開通しておらず、
散歩するのが大変でした。

大陸の人々にとっては、産業地というより
観光地として来省者が多いようです。
鄭州市を足場に近隣3時間以内ぐらいの所に
古都洛陽をはじめ開封、南陽、少林寺など
多くの観光地を訪れることができます。
そのせいか鄭州市には、たくさんの
ホテル、レストラン、サウナ等、
昼は近隣へ観光に行き、
夜は鄭州にもどってナイトライフを楽しむ
と言ったパターンでしょう。

そして至る所に酒屋(ほとんど白酒)があり、
やはり南に比べ北方には、
まだ白酒をがっつり
飲む文化が残っているのだと、
感慨に浸りました。

ちょっと時間ができたので、
少林寺へ観光しに行きました。
私の年代は、まさに少林寺映画で
一番の影響を受けた世代
ではないでしょうか。
相当テンションがあがりました。

 

 

 



少林寺行きの直行のバスに
乗ったつもりが、なぜか、
そのミニバスに添乗員が付き、
ツアーパックのようになっており、
関係の無い場所へ
何か所と連れまわされ、
その都度
「門票だ!」「案内代だ!」などと、
こまめにお金を支払わされ、
ボッタくられました。
一緒に同行した他の中国人たちも
大ブーイングでした。
こんな山奥で怒って途中帰れるわけなく
従わざるをえない状況。
最後は、みんなで薄ら笑い、
みな中国人にして中国式を理解したのか、
なかば諦めの表情が、
日本人として傍から見て
面白かったです。

少林寺は、完全に観光地化され、
少林寺ランドといってもいいような有様です。
昔の映画で見たあの面影は何処へ。
それでも一場面、一場面いい所も残っており
全体的には満足できました。
お坊さんが郷土品を売ってたり、
大型テレビにどこからかパクッた
K-1らしき映像が流れていたり……。
また、少林寺拳法を修行する僧侶達は、
少林寺拳法クラブで練習する
学生の様になってました。
どこの国のお坊さんも、
悟りの境地に行き着くためには、
商売も必要だと悟りました。
今、お坊さんにとって、
新たに必要な修行は、
税金をちゃんと納めることでしょう。

 

 

 

 

鄭州市から高速バスで約5時間、西峡県。
挟西省と河南省の省境地に位置する僻地。
老作坊黄酒業。
北方黄酒は南方系の糯米を原料にする
多くの酒蔵に比べ
多種多様な穀物を原料にして
醸造酒を造ります。

その中でも紅小米(紅粟)を
原料にする大変珍しい黄酒です。
紅小米は、古くから中薬として重宝され、
この地域だけの特産品です。
中国の中でもこの地域の何軒かの
酒蔵だけでしか製造していない珍品です。

しかしなにぶんこの田舎町、
いくらすばらしい珍品だとしても
流通販路も開けておらず、
本当にこの小さな町だけの
地酒ということです。
その様な訳で、こちらの酒蔵さんも
地域内で一番大きな規模といっても
町工場レベルに留まり、
社長さんの話ですと来年は、
近隣に10倍規模の酒蔵を
新築すると意気込んでいます。

近い将来、日本の皆さんに
飲んでいただける日が
くるかもしれません。

さて、お酒の味のほうですが、
大手黄酒蔵に比べると
味の厚みが薄っぺらく感じます。

しかし紅小米の独特な香りと、
苦みが後味に残り、今までにない
新鮮な感じを受けました。
現在まだ30年の歴史しか
無いようですが、
地下貯蔵庫にしっかりと
老熟成酒を保管しているので、
以後、腕のいい調合師を雇い、
研究を重なれば、
年々うまい酒が出来上がることに
違いないでしょう。

鄭州市の南陽料理店で
自家製の生黄酒(原料:米)を
飲ませていただいた時の事なのですが、
熱燗にして飲むのがベストですと
勧められました。
常温と飲み比べると、
まるで違う酒。

常温時には、酸味と甘みが強い
梅酒の様な味がしましたが、
熱燗にすると、一気に酸味が消え、
甘みが、お米の芳香さに変わり、
このおいしさに驚いた事を
思い出しました。
その時、紅小米酒を
試飲させてもらった時も
社長さんに熱燗で飲むことを
強く勧められたな、
と思い出しました。
その時も、味の変化とおいしさに
驚いていました。
この寒い地域、なるほど良く道理が
できているものだと
感心しました。
醸造酒は、常温で飲むのが一番だと
思っていた私の間違いに
気づかされました。

どこの省も同じですが、
ひとつの省内でも日本の県内とは
比べ物にならない大きさの違いが
ありますが、河南省内でも
東西南北、地域によって
違いがありました。

河南省あたりの料理を豫菜と
呼ぶらしいですが、
実際どの範囲までを指しているのかは、
定かでありません。
新疆地域からも多くの人が
流れてきているようで、
たくさんの回族料理店があり、
私は毎日のように羊肉串で
白酒を晩酌してました。

どのレストランも、しめの御飯は、
羊肉絵麺、平打ち麺に
羊スープのラーメン。
どうやら、豫菜の定番料理らしいです。

陝西省の羊肉泡末を思い出します。
大きく全体を観察すると、
肉類は主に羊・牛が多く、
鴨・鳥が少々、
まさに北西部の特徴です。
野菜は、一般的なものが主で、
特にこのあたりの農産物は
穀物類が多く、特に、
トウモロコシの生産が
多いように思われます。

何度も見かけたスープ系・煮物系の料理では、
白湯ベースにミルクを入れて
トウモロコシを漉して入れた
コーンポタージュの様な味でした。

黄河や、いくつかの
大きな淡水湖がある割には、
魚介類は少なく、
まずく感じました。
やはり南方に比べると
食材・調理法等、バラエティーの少なさ、
個性の弱さを感じました。
食は南方に有り。