旦那の酒蔵訪問記 vol.3 梅州

旦那の酒蔵訪問記 vol.3 梅州

広東省にある梅州市へ行きました。広東省と言えば、
香港、深圳、広州など馴染みの深い場所だと思いますが、
ここ梅州市は福建省と江西省に隣接する小さな田舎町です。

とりたてて産業も観光地もないので外国人は、ほぼ足を
踏み入れないでしょう。ただこの地域は、客家人が
多く住む地域で独特な文化があります。
そのためお酒もこの地方特色の強い地酒です。

一般的には、客家酿酒と呼ばれ、(客家人や、この地方の
人達だけにしか知られてない非常にマニアックな地方黄酒です。)
以前は活発に生産されていたよう ですが現在においては需要が減り、
酒蔵は5カ所前後に減ったそうです。
その中でも大きな2つの酒蔵へ行きました。


・梅州客家龙轩酒厂


・广东过江龙酒厂

水源は万緑湖と呼ばれる広東省一帯に供給されている
国家第一級地表水を認められた良質の水を使い、
南方の暖かい気候に対応するため、
その他の黄酒に比べ単純な醸造工程を用い、
糖度を増して腐敗を防いでます。
そのためタイプは甜型だけを製造し
非常に甘口の黄酒になっています。

今では、この地方でも何かの行事の時期だけに
飲まれる事が多く普段に飲む事は、
あまり多くないそうです。
日本人には、すこし甘過ぎるかもしれませんですが、
友人の勧めで生姜の千切りを入れて
飲むことを教わり試したところ
生姜の辛みが甘口の味と程よい具合に調和され、
なかなかおいしく飲むことができました。


*客家人
2千年前、中国中部(山東省、河南省)あたりで
生活をしていた漢族の一派。
歴史上の戦乱や飢饉、迫害などにより、1500年
の歴史の中で5度に渡り南方へ移住してきた民族。
現在全世界に4500万人居ると言われ
中国大陸に4000万人、国外に500万人、
その中の約60%の客家人が、この地域で暮らしてます。

今回は、この地方料理ではないのですが、
隣の省の広西料理を一品を紹介します。
たまたま友人が南方でチェーン展開をしている、
このレストランに連れて行ってくれました 。

まだ中国の北中部では見たこともなかった広西料理、
とってもマニアックで感動しました。
将来的には中国全土に広がって行ってもおかしくない
完成度の高いお店です。

味は全体的に辛いものが多いのですが、
湖南省の干辛、四川・重慶の麻辛、に比べ
東南アジアに隣接している影響か、
甜酸辛と言っていいのでは、ないのでしょうか。

その中で一品、鴨嘴魚の鍋料理、
この魚は広西にある淡水湖にしか生息しない
珍しい淡水魚です。
口ばしの部分や、骨の一部が、
スッポンのえんぺらの食感と同じでとってもおいしい、
身も淡水魚の独特な臭いは少なく、
淡白でおいしかったです。

ひき続き、梅州市からバスに乗り約4時間程、
福建省の竜岩と言う町に移りました。
福建は南から竜岩ーアモイー武夷山と移動。

今回はデジカメの調子が悪く写真が
あまり撮れませんでした。すみません!

まずは竜岩市、こんな山奥にある竜岩と言う小さな町は、
とても面白い街です。
客家人、本地人、min南人と3つの文化・風俗が混沌とし、
うまく調和しています。

また歴史的にも共産党と国民党の最後の戦いの地と言うことで、
大変興味深いものがあります。

沈缸酒厂は現在においては、ほんのひとつの地方酒ですが、
過去をさかのぼれば紹興酒よりも銘酒、
言うならば中国NO、1の黄酒でした。
過去5度における全国評酒会で3度の表彰を受けた黄酒蔵は、
この酒蔵だけです。ちなみに紹興の酒蔵は4度、
表彰を受けてますが、いずれも別々の酒蔵です。

そしてこのあたり一帯も以前は紹興と同様に
黄酒の名産地としてたくさんの中小酒蔵が賑わっていました。
改革後の政策の影響で現在、福建省内で10前後の酒蔵しか
残ってないようです。そんな中で沈缸酒厂も
改革後の経営は国営企業のずさんな経営により一時期、
廃業を余儀なくされました。

しかし近年の経済開放政策の基、私営企業に転売されながら、
やっと昔の活況を取り戻しました。沈缸酒の一番の特徴は、
曲(麹)にあります。
通常、黄酒は麦曲を使うのに対して、
紅曲を使用(福建省、台湾など紅麹の特産地、特に福建省
中部にある古田市は一番の特産地として有名です。)

更には、薬曲と言う古来伝承の特殊技法を使って作りだす
沈缸酒だけの特殊曲。また紹興加飯酒にみられる白酒を
加える酒度調整は、紹興加飯酒は1回で浸透させるのに対し、
沈缸酒は、沈缸の名前の由来どうりに3回に分けて
手間と時間をかけ最終調整をします。

味はやはり南方酒のため、やや甘口ですが、
甘さの中にも特殊曲からくる独特な風味、
手間を惜しまぬ伝統製法の奥深い味わいが感じ取れます。

福建には、もうひとつ代表的な酒蔵があります。
福建老酒厂、こちらも歴史、知名度では沈缸酒と並ぶ老舗酒蔵です。
今回は時間の都合上、訪問することができませんでした。
噂では、経営がうまくいってないとの事、
実際に福建の百貨店などの商品陳列棚にも商品がなく、
業界内でも話を聞きません。

世界遺産や岩茶で有名な武夷山、ここにも2カ所中小の酒蔵を見つけました。

・武夷山緑州酒厂
・武夷山永泉?酒厂

福建の北部高地にあるので気温が高くなく、南方黄酒ですが、
江南黄酒に近い味です。タイプは南方酒には珍しい干型、半干型です。
ここの特徴は、まさに南方と江南を足して2で割ったような製造法で、
原料にもち米と紅麦、曲に麦曲を使用、
味も何か中途半端な感じで、あまりおいしくなかったです。

沈缸酒(チェンガン)
沈缸酒

沈缸酒(チェンガン)
沈缸酒

福建老酒
福建老酒


武夷山?州酒

武夷山永泉酒
武夷山永泉酒

福建には、いろいろな郷土料理がありますが
紅麹を使った料理や、沙?の燕皮ワンタン(ワンタンの皮を
豚肉をたたいて延ばし作った皮)、
佛跳?(あらゆる高級食材のごった煮スープ)などなど、
基本的には、山岳地には地鶏、鴨、野菜を使ったもの、
沿岸は海鮮を使ったシンプルなものが多いです。

左上から、地鶏のビール煮込み、合鴨と地山菜の薬草煮込み
左下から、臭豆腐辛し蒸し、牡蠣とさつま芋粉ニラ玉