旦那の酒蔵訪問記 vol.12 紹興・上海 後編~江蘇と紹興の個性が織り交ざった黄酒~

旦那の酒蔵訪問記 vol.12 紹興・上海 後編~江蘇と紹興の個性が織り交ざった黄酒~

2つめの酒蔵さん百年乾昌酒業、同じ浙江省にありますが、
紹興市からバスで北西1時間半、太湖の西側に位置する小さな町です。

こちらの酒蔵さんは、前述の酒蔵さんとは対象的で、
昔ながらのほのぼの経営。
2代目の若社長が親切に対応してくれました。

商品構成も対象的で、
たくさんの昔からのレーベルが入り交ざり、
どれがこの酒蔵さんを代表する味なのか混乱してしまうくらいです。
そんな中で、こちらの酒蔵さんも
最近になり2つの現代版のレーベルを開発、
ターゲットを絞ったマーケティング戦略を始めたらしいです。

ひとつ目は、「8度」と言うレーベルのズバリ若者向け黄酒。

8度は、酒度を意味していて、
(確か江西省の代表的な
地ビールも8度と言う名前でしたね、
完全にかぶってしまってますね。
ちなみにこちらの8度の意味は、
酒度じゃなく、原料の濃度比率。)
飲み口スッキリ、低酒度で、
たくさん飲めて二日酔いをしない。

「夏場に冷やして飲む黄酒」を
キャッチコピーに、
ボトルもポップな感じで
お洒落を意識
(いまいち田舎臭いデザインですが。)。

味は、正直いまいちです。
スッキリ感は、ありますが、
ただ、それだけに意識してしまい、
本来の黄酒の良さがないがしろな感じがします。

もうひとつのレーベルは、
現在お酒自体は完成されているらしいのですが、
ボトルはまだ製造段階。
写真をお見せする事ができません。
高価格帯のレストラン事業者向け。
味は、上品で
こちらの酒蔵さん独特な個性を
感じさせてくれます。

江蘇黄酒と紹興黄酒の間に位置する場所と比例して、
江蘇のサッパリと紹興の重厚がうまく調和し、
更に酒蔵さんの個性がうまく混ざりあっています。
製造工程の特徴として、3段階醸造(紹興黄酒は、2段階)で
ゆっくりと旨みを抽出、更に冬虫花草を加えます。
これらの工程がこの独特な個性の源なのでしょう。

さて、いつもながら私は、
酒蔵さんや、
その他買付でメーカーさんに訪問する時間を
だいたい午前10時ぐらいに伺います。
いやらしい話ですが、
ほとんどどのメーカーさんも
この時間帯に伺うと、
昼食を御馳走してくれます。
ただご飯を御馳走してもらうのが目的ではなく、
自分では探せない現地の人しか知らないような
土菜(郷土料理)のお店に連れて行ってくれる事が狙いです。

覚悟しなければいけないことが、
昼食と思い挑んだところ、
そこから2,3次と
飲み会に発展してしまう事が多々あります。

もちろん乾杯・乾杯・・です
(特に田舎町は、間違いなくこのパターン。)。
湖州の料理は、基本的に辛味の無い
江南地方特色の物ですが、
安徽省や江西省の省境寄りに
位置することにより辛味が結構入り、
この地域、独特な食文化を形成しています。

名前は忘れてしまいましたが、
太湖周辺でよく食べられる魚です。
紅焼味、魚自体すごくおいしです。


地鴨辛味煮込み


カエルの蒸し物泡辛椒油かけ。カエルぷりぷり。


ゆで川エビ。この川エビは、太湖特産。太湖周辺のレストランでは、どこでも定番。


蚕と韮の炒め物。従業員の子の絹糸生成家業、
そこから養殖蚕を持ってきてくれました。

そのまま太湖沿いに
ぐるっと上海へ戻る予定ですが、
ちょっと寄り道を。
まずは、紫砂壺の特産地、宜興市。
市中心から30分ぐらいの所に
丁獨鎮という場所があり、
そこが生産地で大きな卸売市場があります。

東京ドーム5,6個・・・もっと?
とにかく大きい、
中国のどんな物の卸売市場でも、
やたらでかい。
販売しているものも、
さほど代わり映えしないものがほとんどで、
よくこれでどの店も経営が成り立つと、
いつも不思議に思います。

蘇州では、li kou と言う
家具卸売市場へ、
こちらも上記と同様で、
ただ大きいだけで、
たいした物は無いです。
わざわざ遠方へ足を運ぶより
近隣の都市部(北京・上海・広州)で
多少高くても、そこに集められた
洗練された物を買った方が早いなと気づきました。

瓦工場へ、前々から中国の瓦屋根に興味を持っていた私は、
ついに瓦工場の生産現場へ訪問。
さすが、アナログな手工芸。
ついでに隣人の家具工場にもお邪魔しました。

参観後は、社長さんと意気投合して、飲み会へ。
太湖のすぐ裏手にある社長さんのレストランらしい。
上海蟹5ハイ食べさせてもらいました。
ちなみに3人で白酒2本。

この白酒は家具工場の社長さんが持ってきた、
何かの木を漬け込んだもの。

いろいろな話の中、
家具で使う木についてレクチャー受けました。
希少で高価な
樹齢何百年というような木材は、
東南アジアからすべて輸入しているそうです。
それらの木材自体、または、
それらを使用して加工した家具は、
年々価格が上がり、
富裕層のユーザーが
投機目的と併用して家財として
活用しているそうです。

東南アジアの森林の乱伐問題は、ここに有りかな?
宴の終わりに日本での再会を
約束されてしまいました。
恐ろしい。