紹興酒豆知識<1>紹興酒の製造法(作り方)

紹興酒の製造法


紹興酒は最も代表的な黄酒。日本未流通の黄酒は多数存在する

紹興酒は黄酒(ファンチュウ)の一種であることはあまり知られていません。黄酒とは、穀物を原料とした中国最古の醸造酒。そのジャンルはまだあまり知られておらず、一般的には中国酒=紹興酒として知られています。

紹興酒は、黄酒を代表する歴史と名誉ある中国地酒です。「紹興で造られている=紹興酒」ではなく、紹興で造られかつ国家基準をクリアしたもののみがその名を語ることが許されるのです。

その紹興酒はどのような造られ方をしているのでしょうか?その前に、まずは他の醸造酒と比較することで紹興酒への理解を深めていきましょう。


黄酒と紹興酒


他醸造酒と紹興酒の違いとは?

醸造酒は原料を発酵させて アルコールを作るお酒です。 具体的には 酵母に原料の糖分を食べさせて、アルコールと炭酸ガスを発生させます。
醸造酒の種類によってその発酵方法が異なります。代表的な醸造酒としてワイン、ビール、日本酒の3種を以下に挙げます。





日本酒と黄酒は製法が似ていて世界的にも希少な並行複発酵(へいこうふくはっこう)で造られるお酒なのです。日本酒の原料はお米なのに対して、黄酒は主に糯米、麹には麦麹を使用するものが多いです。



紹興酒の製造法<作り方>

並行複発酵は古来中国で麹の発見により可能になった世界でも稀に見るとても高技術な醸造法です。
国土の広大な中国では、地方によって原料や製造法が異なる部分がありますがここでは基本的な工程となる紹興酒以下の製造法を紹介します。

紹興酒にはまず淋飯酒(りんぱんしゅ)と攤飯酒(たんふぁんしゅ)と言う2種類のお酒があります。

淋飯酒の”淋”は水をかけるという意味で攤飯酒の”攤”はひろげて置くという意味です。両者は原料を蒸煮した後の放冷のやり方の違いから名付けられました。

淋飯酒は攤飯酒の酒母(酵母)として使われる原料の一部です。先ず攤飯酒を造るにあたり酒母となる淋飯酒を造らなければなりません。

言うなれば速醸酒である淋飯酒を造り、そしてその後、攤飯酒を造るという流れとなります。


紹興酒の作り方<製造工程1>精米
精米

紹興酒の精米歩合は大体90%程度です。これは、大体が75%以下である日本酒と比較してもあまり磨かないことがよくわかります。これにより米のたんぱく質が多く残り、豊富なアミノ酸を生んでいくと考えられます。




紹興酒の作り方<製造工程2>浸米


蒸煮するために事前に水分を吸収させます。
<淋飯酒>約1日
<攤飯酒>約1週間(この時、浸米に用いた水をショウ水と呼ぶ)。




紹興酒の作り方<製造工程3>蒸煮・冷却


お米を蒸したあと、その冷まし方は淋飯酒と攤飯酒で異なります。この違いが各名称の由来となっています。
<淋飯酒>蒸し終えた後、水をかけて冷却=このことを「淋飯」といいます。
<攤飯酒>竹敷にひろげて自然冷却=このことを「攤飯」といいます。



紹興酒の作り方<製造工程4>仕込み(発酵)


仕込み
<淋飯酒>500Lの大甕に淋飯と酒薬(酵母)を入れて酒母を造り、その後に水と麦麹を入れます。
<攤飯酒>攤飯にショウ水、水、麦麹、淋飯酒(酵母)を入れます。淋飯酒で使用した酒薬は直接使用せず、ショウ水を用いることが特徴です。ショウ水は乳酸発酵しているため、乳酸添加の役割と、発効促進の役割を担います。日本酒で乳酸を添加するのと同様の意味をもちます。
発酵
<淋飯酒>1次発酵3日間、2次発酵約2週間。
<攤飯酒>1次発酵5日間(30度)、2次発酵80日間(常温)
両者共、途中数度に分けて開バ(専用の長い棒)で混ぜます。この混ぜ具合によっても風格が変わると言われている重要なポイントです。



紹興酒の作り方<製造工程5>圧濾・殺菌


圧搾して濾過を終え新酒となります。80度〜90度で加熱殺菌。



紹興酒の作り方<製造工程6>貯蔵・ブレンド


23Lの甕に入れて貯蔵(1年〜50年)。
原酒をブレンドして完成品となります。




日本酒同様に高度な技術を用いて造られる紹興酒の作り方をご紹介しました。文化の交流が深い日中において穀物を糖化・発酵して造るお酒が各国にあることは、その確証がないにせよ、関連性があるように思えてなりません。

中国では大きなメーカーでなくても、村のとある一家が酒造りをしている、ということはよくあります。未知なるお酒を思うと、胸が高鳴ります。旨仙では、ひとつでも多くの個性的な黄酒をみなさんにお伝えしていきたいと思っています。






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